建造物
本願寺八世蓮如上人の巡錫によって、各地に念仏道場が建てられた。文禄三年(一五九
四)砂子坂末寺之覚帳によれば、「いわき願生道場」「中河内道場」「荒木道場」「日のせと道場」などがみられる。道場の多くは、その後寺院に昇格したが、
現在も残っているのは樋瀬戸集落にある念仏道場のみとなっている。
現在の建物は明治十二年(一八七九)、集落のほぼ中央、山寄りに東に向かって建てられた。当時は茅葺きであったが瓦葺となり、内部も改装されている。しかし、仏間は往時のままである。
今でも住民によって勤行の集いが続いている。
所在地:南砺市樋瀬戸
所有・管理者:樋瀬戸地区
指定年月日:昭和54年12月12日
天然記念物・名勝
小矢部川が中河内で曲流れする地点から上流の下小屋に向かう約2キロメートルの深いV字谷をいう。ここ一帯は、新生代の古第三紀、およそ6千万年以前に火山活動で噴出した流紋岩質火山砕屑岩類を主体とする「太美山酸性岩類」が分布し、福光地域では最も古い地質である。
風化侵食されてできた奇岩や親崎の滝、急崖に生育する赤松の見事な生態などが絶景を創出している。深い峡谷から微かに響く渓流の音は、支流の滝と合流し、河床勾配の大きい急流となっている地形上の特徴のあらわれである。
「瀬戸の長瀞」とも言われる長瀞峡の自然の美しさ、神秘さが、古来、蛇神が住んでいたという伝説を生んでいる。
所在地:中河内
所有・管理者:南砺市
指定年月日:昭和34年11月5日