法林寺化石層
天然記念物・名勝
法林寺地域内を流れる麻生谷川の河岸・河床に露出する新生代、新第三紀中新世の貝化石層である。本層はかつ
ては約50種の貝化石を産し、化石産出の稀な高窪層にとっては唯一の化石床として注目されてきた。化石は全般的に、亜沿岸性〜沿岸性の貝類で寒・暖流系統
種がほぼ同等にまざっている。1950年、法林寺の名称をとった巻貝の化石「Bittium horinjiensis
ONOYAMA(巻貝オニノツノガイ科)」の産出が報告されている。
化石を含む地層は砂質泥岩で、不規則な形状の団塊が含まれており、地層は法林寺断層によってほぼ垂直に立った状態で観察される。
このような地層が観察されるのは福光町ではここ以外にはなく、他の地域でもほとんど見られない貴重な露頭である。さらに、このすぐ東側には逆断層の明瞭な露頭があり、周辺のトレンチでは断層に伴う地層の撓曲が観察され「活断層」の調査・研究に目が向けられている。
所在地:南砺市法林寺
所有・所在地:南砺市
指定年月日:昭和36年8月30日