福光宇佐八幡宮春季例大祭
4月の第3日曜日、福光宇佐八幡宮周辺では、御神輿、獅子舞、屋台が一日中町内を賑
わせ、祭りムード一色となります。この福光春季例大祭は、約220年前から行われていますが、文献によると「再興後」であり、かなり以前から伝わる由緒あ
る行事です。1901年から厄年男性が奉仕するようになり、御神輿担ぎは、福光地区住民の神聖な奉仕として、現在まで受け継がれています。御神輿の重さ
は、約1トン。25、42、61らの厄年男性が丸1日かけて約11kmを巡幸。4月中旬の開催とあって、小矢部川沿いを彩る満開の桜並木を進む姿が見所の
一つです。
●日時:毎年4月第3日曜日 早朝から
●会場:福光宇佐八幡宮、福光市街地一円
●問合せ:福光観光協会
歴史と伝統
毎年、桜が美しく舞い散るころになると、福光の旧町を御神輿が巡幸する。担ぎ手の男
たちの思い込め新調された法被(はっぴ)を身にまとい、古くからの面影を残す町並みを、朝から日が落ちるまでその重さに耐え、掛声を合わせ、一体となって
町中を練り歩く。その巡幸にあわせ、子供たちの獅子舞、庵屋台からは三味線、笛、太鼓などにあわせ、端唄が響いてくる。
はなやかな絵巻物が目の前で繰り広げられる…。ひと時、タイムスリップでもしたかのような雰囲気に包まれる。200年以上も受け継がれてきた伝統、優美でもあり、そして勇ましい。
クライマックスになると、この御神輿巡幸の勇ましさは最高潮に達する。宮の前に戻ってくると、男たちは「自分たちはまだまだ担げる」というところを神様に見せるために、お宮前を力尽きるまで何度も参道を往復するのである。一番の見せ場「もどいた」である。
重い御神輿を担ぎ、辛いのをがまんし、それでも担ぎ続ける「もどいた」は、見るものにも熱いものがこみ上げてくる。担ぎ手をしている者にとって「もどい
た」をやり遂げた後は、御神輿の重みを体験したもののみが味わえる充実感と連帯感に包まれる。そうして、長い祭りの一日が終わるのである。
構成
御神輿巡幸のもう一つの見所は、なんといっても獅子舞。子供の獅子舞はもちろん、大人が舞う獅子舞もある。
また、東町、西町、本町から出る庵屋台は見事である。三味線、横笛などにあわせ、端唄が聞こえてくる。古めいた町並みを通る時、より一層情緒あふれた風景になる。